FPは欧米で人気って本当?
FPは日本よりも欧米の方が人気です。
日本ではFPの知名度こそ高まってきたものの、世間からはFPだけで食べていける資格ではないと思われています。
実際にFP取得者の多くは3級や2級までしか取得せず、FPの看板をメインにした職業に就いている人の割合が非常に少ないです。
それに対して欧米では、富裕層向けにFPのサービスが流行していて、資産管理を全てFPの指示に任せている方が多いです。
極端な表現をすると、
- 日本のFPは将来に不安を感じてライフプランをしっかり立てたい平均的な所得の人がメインユーザー
- 欧米では富裕層向けの資産運用コンサルティングに近い存在
です。
そもそも投資の需要が違う
日本は貯金大国と呼ばれていて、利息がほとんど付かないにも関わらず銀行に長年大金を寝かせている人が多いです。
それに対して欧米は日本よりも株や不動産などへ投資する需要が高く、富裕層は積極的な投資を行っています。
日本でも富裕層は積極的な投資をする人がいますが、自分自身の考えや銀行・証券会社の担当者に任せて資産運用するケースが多いです。
投資信託や不動産など特定のカテゴリーに集中投資をしたがる日本人とは違い、欧米の富裕層は新しい投資商品にも積極的に投資します。
選択肢が幅広いため、自分で勉強するのではなく信頼できるFPに幅広いカテゴリーから、どのように資産運用するのか相談する需要があります。
日本人は堅実派の人が多いので、欧米のようなスタイルでFPの人気を高めていくのは難しいでしょう。
生保レディは日本ならではの文化
日本の生命保険加入率は約90%と言われていて、既婚で子供のいる家庭の大黒柱は大半が何かしらの形で生命保険に加入していると言われています。
日本は生命保険の需要が高いので、大企業は昼休みや仕事終わりに生保レディが回って営業活動をしていて、生保に入りたい場合は紹介で特定の保険会社の生保レディを紹介されて加入する人が多いです。
つまり、生命保険は1社だけの話を聞いて決めてしまう人の割合が高いです。
それに対して欧米は生命保険加入率が50%前後と日本よりも低く、生保レディという職業の需要が低いです。
保険を検討する人はFPに相談して、保険代理店の利益ではなく、その人に会ったプランを複数の保険会社から比較して選定するのが一般的です。
日本でもFPが多数在籍している保険の相談窓口が全国に広がっています。
複数の保険から自分に合った保険を探すのは欧米のスタイルに似ています。
しかし、日本の保険相談窓口は複数の保険会社の代理店になっていて、結果的にFP兼保険募集人のスタッフは、何かしらの形で成約に繋げようと必死に提案してきます。
それに対して欧米では、自社では保険の代理店をやっていないFPが全ての商品から完全にフラットな目線で保険の相談を行い、必要に応じては無理に保険へ加入する必要がない助言を受けることもあります。
生命保険の文化が日本と欧米でFPのスタイルや需要に違いがある理由の1つです。