FP資格が役立つ仕事「証券会社」
証券会社は、ディーラー(運用・売買する人)、営業など職種を問わず入社後には半強制的にFPの資格を取らされます。
必須の資格ではないですが、投資に必要な知識を多数学べる資格で、顧客への信頼性に直結することから、出世や昇級に大きな影響を与えます。
FPを持っていると就職に有利?
応募する証券会社の企業規模と職種にもよりますが、中堅の証券会社で顧客に対しての営業や受付・相談業務を行う職種の場合は、FP2級以上を持っていると優遇されます。
顧客と接する立場の人は、名刺にFPの資格を記載することが多く、FPに対しての資格手当を用意している所が多いです。
ディーラーの場合は、高学歴でSPIテストが良いなど知能が優れている人材を優遇されます。
ディーラーになってもFPを取得させられますが、応募する段階でFPを持っているかはそれほど重要ではありません。
頭が良くないとなれない証券会社のディーラーは、入社してからでもFPくらいは取得して当たり前の資格として扱われています。
FPを取得して昇級や出世が極端に有利になるワケではないですが、入社してから何度もFPの試験に落ちると左遷の対象になってしまうことがあります。
証券会社においてFPは基本中の基本
FPで勉強する株や投資商品の知識は、基本的なルールや計算に関する内容が中心です。
実務に役立つ情報は多数ありますが、FPの知識よりも扱っている投資商品や銘柄の専門知識が重要です。
証券会社に勤める人の多くは、入社してからFPを取得していますが、FPの勉強ばかりしていると日常業務に支障が出ます。
事前にFPを取得してから入社すれば、必要な勉強が省略されて、実務に直結する勉強に多くの時間を費やせるようになります。
ただし、証券会社の実務や研修はFPの試験に関連している内容が多いので、入社して業務をこなしていれば必然的にFPの試験に必要な知識も身につけられます。
FPを取得して、学んだ知識を網羅しているだけでは安泰な職種ではないことを理解しておくとよいでしょう。
重要なのは肩書き
FPの本質は、相談者に合わせた投資商品や資産運用、資産マネジメントを提案することですが、証券会社として働く場合は、お客の状況を問わず自社の投資商品を勧めないといけません。
FPを持っていることで顧客に信頼を与えるのが、資格取得をする最大の理由です。
もちろん、実技試験で得た知識や経験が実務で役に立つこともありますが、FPとしての理想が高すぎる場合は向いていない職種です。
これは、証券会社だけではなく、FPの主な働き口でもある保険業にも共通しています。
証券会社がFPの資格を取る主な目的は、相談者の利益ではなく会社の売上です。
もちろん利益や満足度が売上に直結する要素もありますが、試験勉強やAFP・CFPの単位で学んだことを実践するだけではなく、会社の方針に応じてFPの知識や肩書きを応用することが求められます。